チャイナタウンは飲茶とマッサージだけの街というわけではなく、そこには人が暮らしていて小学校もあります。今日は公立小学校のP.S. 124 Yung Wing Schoolを紹介しましょう。
学校名になっているYung Wingは19世紀にアメリカに留学した中国人です。公立小学校に偉人の名前をつけるのはよくあることですが、中国人の名前がつくのはチャイナタウンならでは。
2008年度のデータによると、
- 児童数:6学年で1000人
- クラスの平均人数:26人
- アジア系児童の割合:89%
- 英語に難ありな児童:27%
- 貧困層(給食費が無料):61% となっています。平たく言うと大所帯の学校でクラスあたりの人数が多く、貧困層はやや多め、中国人が大多数で英語があまり話せない子どもも多め、というところです。
ネガティブな要素が多いようにも聞こえますが、特筆すべきは教育レベルの高さ。小学校の5年生が受けた共通テストの点数を見てみましょう。トップレベルとされるマンハッタンの他の小学校のスコアも参考までに並べてみました。
合格者 | 優秀者 | 貧困家庭 | |
---|---|---|---|
P.S. 199 Jesse Isador Straus | 98% | 66% | 8% |
P.S. 234 Independence School | 98% | 47% | 5% |
P.S. 124 Yung Wing | 96% | 55% | 61% |
P.S. 89 | 96% | 55% | 7% |
P.S. 6 Lillie D Blake | 96% | 52% | 7% |
P.S. 158 Baylard Taylor | 95% | 43% | 21% |
市の平均 | 79% | 25% | 66% |
一般に貧困家庭の多い小学校は点数が悪いなどといわれますが、なかなかどうして。P.S. 124は富裕層の多い学校に並んで健闘しています。
中国人が多いという特殊な環境の学校であるため、教師の側も英語が不得意な子供の対応に長けています。また英語が苦手な親のために各種書類は英中二か国語で掲示されるといった特徴があります。そのため、学区外から通学してくる中国人の子供も多いとのこと。
駐在員の皆様。お子様をチャイナタウンの小学校に入れてみるのはいかがでしょうか。うまくすれば中国語も友達から教われます。
データ
- 名称:容閎公立小學(PS 124, The Yung Wing School)
- 所在地:40 Division Street, New York, NY 10002
- ウェブサイト:PS 124, The Yung Wing School - Homepage
濃厚度
中国人がとても多いコミュニティではありますが、それを除くといたって普通。授業はすべて英語で行われます。
ここの先生は同じ人が30年以上やってると卒業生から聞きました。転校ってないのでしょうか?
返信削除ここの向かいの印刷屋お勧めです。担当はアンディ。昼飯が長い。
あ、まちがえた。私の言ってるのはBaxterのPSでした。失礼。
返信削除nima nyimaさん
返信削除PS124もBaxterのPS130も長く勤めている人が多いと言われます。PS124の場合、turnover rateは2005年度3%、2006年度11%、2007年度9%。ニューヨーク平均の半分と言ってよい数字です。PS124の先生とお話もしましたが、使命感とやる気をもった人ばかりでしたので納得のデータです。
チャイナタウンには印刷屋も多いので一度取材に出かけてみたいのですが、印刷をする用事がないので難しいです。ブログの宣伝チラシを作ればいいのでしょうけれど。:-)
turnover rateの出典:http://www.nystart.gov/publicweb-rc/2009/5a/AOR-2009-310200010124.pdf