国勢調査に見るチャイナタウンの将来

2010年に行われた米国の国勢調査は、ある意味チャイナタウンの将来を暗示するものとなった。

国勢調査の結果によると、前回調査の2010年からチャイナタウンの人口は8%減った。厳密に言うと国勢調査に回答した人数が8%減ったということで、回答していない人口が多数いるのではないかという指摘もある。たしかに中国大陸から不法移民としてやってきてチャイナタウンのStudioに6人で暮らしているような労働者が国勢調査にまともに答えるわけがない。

ただし不法移民が回答しないのは10年前でも事情は同じなので、チャイナタウンの人口が減少しているというのは否定できない事実なのだろう。

人口減少の原因としてまず考えられるのが不動産価格の上昇だ。このあたりの不動産価格は2001年のテロで暴落したが、その後は上昇する一方。チャイナタウンはレント・コントロール対象の建物が多いとはいえ家賃は徐々に上がり、低所得者層には住みにくい街になってきている。

中国語しかできない移民層にしても、チャイナタウンに住まなければいけない理由はない。ブルックリン、クイーンズ、さらにはスタッテン島にまで中国人居住区はある。高い家賃、狭いアパートメントのマンハッタンに住み続けることを中国人が選ぶかどうか。国勢調査の結果を見れば結論は明らかだ。

マンハッタンの中国人人口は増加傾向にあるので、チャイナタウンはその人たちの情報ハブになって生き残って行くのかもしれない。あるいは中国人が郊外に移り、チャイナタウン自体は横浜中華街のように中国人以外と同和して中国人色の少ないチャイナタウンになってゆくのだろうか。

次回の国勢調査は2020年。チャイナタウンの真ん中を突っ切るSecond Avenue Subwayの計画も固まっているだろうし、それに合わせて人の流れも変わっていくのだろう。

時代の変化を見るのは寂しいが楽しくもある。変化の方向が国勢調査に答えないような層にとっても良いものであることを願う。

参考文献

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