バックパックで世界を旅行して、お金が足りなくなったら少し路上で商売して、なんて考えたことのある人は多いだろう。実行するときに注意をしたほうが良いかも、という話。
APの報道によると、チャイナタウンのCanal StとMott Stの交差点で寄付を募っていた尼さんが逮捕されたという。
まず背景から。
この尼さん、1996年に仏教の布教活動でアトランタにやってきた。ところが今年の3月に自分のお寺が火災に遭い、再建費用の3万ドルを寄付で賄おうとした。募金活動の場所に彼女が選んだのはマンハッタンのチャイナタウン。Canal StとMott Stの交差点という人が多いところを選んで街頭に立った。中国人も仏教徒も多いから良い場所には違いない。寄付をしてくれた人には数珠をあげていた。この数珠、50セントの価値というから文字通りの粗品である。
ところがどこを誤解されたか、この尼さんが逮捕されてしまった。無許可販売の容疑で。
警察はこの活動を「アクセサリーの販売」と受け取ったらしい。ライセンスがないという理由で逮捕、記事中に英語が流暢ではなかったというニュアンスがあるので釈明もあまりできなかったのだろう。その場にいた通行人が彼女に代わって説明するも警官は聞く耳をもたず、4時間にわたって拘束されたとのこと。
結局は無事釈放ということになるのだが、「6か月間問題を起こさなければ」という条件付きなので完全な無罪放免になったわけではない。
弁護を無料で引き受けたBrown弁護士のコメントは「カトリックの修道女がロザリオ(数珠)を配っていたのならまた話も違ったはず」と。
Diversityという言葉がこれだけよく使われるニューヨークでも文化の壁は厚い。後味の悪い事件ではあるが、世界の人が誤解なく共生できるにはまだまだ時間がかかるのだろう。(写真はクイーンズのお寺にて。本文と直接の関係はありません)
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