MSGアレルギー

ある日の会話。

"That sushi restaurant was pretty good. We should hang out again soon"(この間のスシレストラン、すごく良かった。またどこか連れてってよ)
"Sure, would you like to try soup dumpling in Chinatown?"(チャイナタウンの小籠包はどうよ)
"Oh sorry, I am allergic to MSG"(ごめんね、味の素アレルギーなの)

チャイナタウン好きの諸氏はこういう会話をしたことがあるに違いない。特にアメリカ育ちの女性からこれをよく聞く。MSG(グルタミン酸ナトリウム=味の素の主成分)アレルギーとは何なのか。

まずは米国政府の見解を見てみよう。MSGはGenerally recognized as safe、つまり「通常の使用は差し支えない」というカテゴリーに入っている。塩と同様、普通に使用するぶんには問題ないが大量に摂取すると良くないということだ。

ではMSGアレルギーは実際にありうるのだろうか。以下のケースが考えられる。

(1) 店がMSGを入れすぎの場合。MSGは大量に摂取しても味覚ではわかりにくいため、知らず知らずのうちに口に入ることはありうる。

(2) 客が特異体質の場合。本当にグルタミン酸ナトリウムに身体が過剰反応する人はいるそうだ。

(3) その他精神的な要因。または意図的な言い換え。中華料理が嫌い、チャイナタウンが嫌い、寿司のほうが良い。

至高の舌を持っているわけではないので話半分に聞いてもらいたいのだが、チャイナタウンでMSGが多めの料理はいくつか経験したことがあるものの多すぎは見たことがない。なので(1)は除外。

特異体質の(2)は実際に存在するそうだ。ただしその場合、醤油にさえグルタミン酸ナトリウムが入っているのでMSGの粉末が入っていなくてもおそらく中華料理は食べられない。

すべてのケースがそうでないにしても(3)の場合が多いのではないかと思い、実際に聞いてみた。答えてくれたのは上の会話に登場したアメリカ人女性。

ひもやく「今度みんなでブルックリンにベトナム料理に行こうかと思うんですが」
女性「行く行く」
ひ「MSGアレルギーという理由でこの間の飲茶会を休まれましたが、ベトナム料理は大丈夫ですか?」
女「うーん、正確に言うと中華料理アレルギーかな。油っこいし、チャイナタウンは何が路上に落ちているかわからないし」
ひ「つまりMSGアレルギーというのはチャイナタウンに行きたくないというのをファンシーに言いかえたものですか」
女「そうね」
ひ「チャイナタウンアレルギーと呼ぶことにしたらどうですか」
女「それはダメ。私が人種差別主義者みたいに聞こえるじゃない」

と、この人は(3)であることを認めた。

チャイナタウンに行きたくないと言うと中国人差別的な響きもして良くない。そこで「MSGアレルギーです」と言えば上品な香りもしてだれも傷つかない、というところか。

なお、チャイナタウンでは「No MSG」と注文のときに言うと普通は対応してもらえる。醤油その他に含まれているためグルタミン酸ナトリウムがゼロになるわけではないが、どうしても気になる人はお試しを。

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