おばさん2題

今年最後はチャイナタウンで働くおばさん二人のことを書きます。後半には未成年の方に不適切な記述があります。写真はフラッシングの駅で、本文とは関係ありません。

その1。中華料理店の従業員

おばさんはチャイナタウンのレストランでウェイトレスをしている。朝11時の開店前から夜9時の閉店後まで立ちっぱなしで働く。時給は$5にも満たず客からのチップが収入源だ。

クリスマスも出勤した。ニューヨークはクリスマスに閉店するレストランが過半数だが、「チャイナタウンは年中無休だし、チップも多めにくれる人が多いからね」と笑う。

彼女の生きがいは高校生の一人息子だ。アメリカで育った息子は完璧な英語と中国語を話す。英語はメニューの説明しかできない母親とは対象的である。ニューヨーク市トップクラスの高校に在学し弁護士を目指すという。

おばさんに「クリスマスに家にいなくていいのかい」と残酷とも思える質問をしたら「家にいないのは毎年のことだからね」と言う。息子にサンタクロースが来るのかどうかは聞けなかった。

その2。夜の仕事。個人営業

おばさんは5年前にニューヨークにやって来た。中国北東部の出身で、両親と夫と9歳の息子が中国にいる。話を聞いていると30歳前後らしいのだが見た目は40を超えている。化粧の濃さがさらにおばさん度を高めている。

おばさんはアパートメントの自室で毎日客を取る。電話の受付も自分でする完全な個人営業だ。客は常連が主でたまに中国語で新聞広告を出す。

取り締まりはないのかい、と言うと「常連客相手に商売をしている間は大丈夫。新聞広告を出すのは怖いが、客が増えるのでやっている」のだそうだ。

そこそこの収入はあるが生活はつましい。稼ぎは中国の家族に送るからだ。家族はこの仕事を知らないことになっているが、英語もできないのにアメリカで毎月数千ドルを稼いでくるお母さんを息子はどう思っているのだろうか。

いろいろ話してもらったのでこちらも気がとがめ、おばさんに少々の現金を渡した。食事をごちそうしてくれたからいいよ、とおばさんは言う。中国語を教えてもらったからさ、と押し付けると「英語を教えてよ」と言う。

クリスマスは客が来ないので休業。クリスマスが終わればまた1年間働くよ、と意気込むが、いつまでも続けられる仕事でないのは本人が一番よくわかっている。

誰にでも新年はやってくる。2013年がこのおばさんたちにとっていい年でありますように。一年のご愛読ありがとうございました。

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